木の循環

― 冨田邸が出来るまで ―


01 設計

 

図面に加えて、模型、スケッチ、CGなどを用いて検討を行います。

02 板図を描く、尺棒を作る。

 板図を描き、尺棒を作ることで、木造の軸組みを立体的に把握します。板図は木造建築の施工図で、木材を加工するために大切で、とても便利な図です。尺棒は、高さ関係の寸法を1本にまとめた物差しです。

 

着工前に地鎮祭を行います。

03 製材

 

  1. 丸太は棟梁が自ら貯木場(名古屋、東京)におもむいて、選定します。
  2. 木材をストックして自然乾燥するために、製材を行います。常に、住宅1~2棟分以上の乾燥材をストックするようにしています。


04 木材の選定

 

  1. 約1年以上の自然乾燥を行った木材のストックの中から、材料を選定します。
  2. 木材は、その「節」や「くせ」を見ながら使い方を決めます。自然乾燥の過程で、「くせ」が分かりますので、その「くせ」を生かします。
  3. 丸太梁も利用します。少ない加工や断面サイズで、強度も出ます。ダイナミックな架構を造ることもできます。

 製材の端材や木挽きぬかは燃料や畜産に利用されています。

05 木材の墨付け、刻み

  板図と尺棒をもとに、木材に墨付けをします。主要な継ぎ手、仕口は、手作業で刻みます。このことで、しっかりとした接合部ができるとともに、木材に適した自由な架構が可能になります。

軒桁の継ぎ手「追掛け大栓継ぎ」

06 仮組み

 

 軸組みの主要な部分は、工場にて仮組みを行います。

 

 この頃、敷地では、基礎を作っています。



07 上棟

 

 建て方には、約2日間を要しました。

08 屋根をかける

 

 垂木を架けました。

09 外壁を仕上げる

 

 外壁は仕上げを待つばかりです。



10 内部の造作

 

 施主の冨田英男氏に、藤森秀典が建築の説明をしています。

11 竣工

 

竣工写真(外観、2階内観)